早春から晩秋にかけて朝霧が立ち込める宇和盆地の景色は、西予市の風物詩のひとつとなっております。放射冷却現象が始まる朝の5時ごろから霧が深くなり、街灯の明かりもぼんやりとして幻想的な風景となります。また山に登ると、竹田城のような光景を眼下に観ることもできます。
〒797-0015
愛媛県西予市宇和町卯之町3-88
TEL.0894-62-0036
〇牛鬼(うしおに)
『牛鬼』とは全長5~6メートルの山車のことで、鬼のような顔に長い首、赤い布やシュロで覆われた牛の胴体、剣にも似た尻尾を持っています。愛媛県南予地方のお祭りでは、神輿が渡御(とぎょ)する際に先導役として、行く先々をはらい清める役割をします。
『五ツ鹿踊』は獅子舞の一種で、一人立ちで鹿頭をかぶり、胸に鞨鼓を抱え、幌幕で半身を覆って踊ります。愛媛県南予地方の鹿踊は、初代宇和島藩主伊達秀宗の時代にはじめたとされており、源流は東北地方で、仙台周辺の鹿踊と共通する点が多いと言われています。
〇四国霊場 第43番 源光山 明石寺
明石寺は、欽明天皇(在位539~570年)の勅願で、円手院正澄という行者が千手観世音菩薩を安置し、七堂伽藍を建立し開基したと伝わっています。後に弘法大師が嵯峨天皇の勅願により荒廃した伽藍を再興し、四国霊場に定めました。建久5年(1194年)、源頼朝が、平清盛から命を救ってくれた命の恩人である池の禅尼の菩提を弔うために阿弥陀如来を祀りました。これを期に山号を「源光山」と改め、以後多くの武士が帰依する寺になりました。2007年10月に本堂、大師堂、鐘楼堂、地蔵堂、仁王門、手水舎、客殿、塀及び石垣、石段及び石垣が、登録有形文化財になりました。
〇明石寺修験 採燈大護摩供
2月3日は「豆まき」をはじめ、各地で厄払いの行事がたくさん行われており、明石寺でも「明石寺修験 採燈大護摩供」 という行事が行われます。この行事は井桁に組んだ丸太の中で護摩木を焚いてご祈祷した後、赤々と火が残る炭の上を諸願成就のため裸足で歩く、火渡りの儀式です。一般の方も大護摩火渡りに挑戦することができ、毎年多くの方が参加されています。
境内のお土産屋さんで、熟成純米酒 開明の明石寺ラベルを購入することができます。
『熟成純米酒開明』は源光山の麓から湧き出る水を仕込水として使用し、3年以上熟成させた、まろやかでのど越しの良い純米酒です。
【希望小売価格】
◇720ml 1,518円
江戸時代 幕末期 卯之町の街並みの模型
出典:愛媛県立歴史博物館
〇卯之町中町
当蔵の位置する西予市宇和町卯之町は、宇和盆地の村々から米が集まる宇和島藩の在郷町であり、酒造りに適した『気候』『水』が揃った土地でもありました。このため200m程の中町通りに当蔵も含め、造酒屋が4軒もあったことが1838年(天保9年)の史料に記されています。高い標高は酒造りに必要となる冬の寒さをもたらし、肥沃な土地は昔から米処として名高く、当蔵裏手の雨山(あめやま)からは脈々と天然水が吹き出ています。この酒造りに最適な気候と、米・水をふんだんに使えるぜいたくに卯之町は今も恵まれております。
①元見屋酒造
江戸時代の大火により、蔵・資料が焼失し創業年は不明ですが、仕込み蔵は安政年間、前蔵は寛政年間に再建されました。弐百年を経た今も当時の面影を残しており、九寸柱(27cm角柱)がしっかりと蔵を支えています。土壁からは芳ばしい酒の香りが漂い、生き続ける蔵つき酵母の静かな鼓動が聞こえてくるようで、神秘的でさえあります。
②千代井醸造
建物は壊され、市営の公園となっています。天保9年の資料では『千代井醸造』となっており、みりんを製造しておりましたが、明治以降に造り酒屋となり廃業したと伝えられています。
③池田屋大清水酒造
古民家を生かした喫茶店となり、酒蔵はイベントホールと姿を変えましたが、現在も清酒玉川の販売も行っています。また門構えが立派すぎると宇和島藩より処罰を受けた庄屋の名前の付く、『鳥居門』は西予市の文化財に指定されイベント時に一般公開されています。
④敷島酒造
近隣の松屋旅館が屋敷を購入しリニューアル、特別室として宿泊が可能となっております
⑤清沢屋酒造
大正時代初期まで酒造業を営み、大正8(1919)年に「卯之町醤油株式会社」を設立し、昭和12 (1937)年まで醤油製造・販売を営んでいました。(ヤマミ醤油として現存)明和7(1770)年に建てられた「平入り」の建物で、蔀(し
とみ)や格子(こうし)など卯之町らしいデザインが残る町家で、毎月第 1日曜日に定期一般公開を行っています。
毎年7月10日に、王子神社で子供が主役の夏祭りが行われます。お練は、かつて男子だけで組織され、小学生のかつぐ神輿、中学生の牛鬼と四つ太鼓に、幼児の大名行列が続いていました。近年は、少子化により参加者確保が難しくなっており、また西日本豪雨、コロナと開催中止の年が続いていました。コロナ開けとなった昨年は、練り歩くコースを半分とし、女子の応援もあり、無事開催することができました。前夜祭も、多くの人で賑わい、夏の風物詩の復活となりました。
牛鬼は家に首を入れ、邪気を払います。また大人が担ぐ秋祭りと較べ、一回り小さく造られています。
王子神社
愛媛県西予市宇和町卯之町3-390
TEL 0894-62-2204
宇和郡領主西園寺公広が天正年間に黒瀬城に築造したのが始まりと伝えられおり、現在は卯之町区内に遷座され、安産の神として信仰を受けています。
卯之町 おさんぽ 絵図(先哲記念館作成)
出典:せいよじかん
〇中町
元見屋が位置する卯之町の中町(なかのちょう)は、シーボルトの弟子二宮敬作を頼って、幕府に追われた高野長英が身を隠し、宮内省御用掛となった産科医楠本イネが医学の基礎を学んだと町と言われています。また白壁、うだつ、持送り、格子など、江戸時代中期から昭和初期の伝統的な建築様式が多く残り、2009年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。町並みを歩けば古き良き文化の香りと商業に賑わいを感じることができます。
①米博物館
昭和3(1928)年に建築された開明学校後身の小学校舎を活用した博物館。稲の標本や農機具の移り変わり、米造りに関する資料を展示しています。さらに第一校舎にある柱のない109mの長い廊下は必見です。109mの廊下では、ぞうきんがけ体験ができ、完走後、記録入りの認定証が贈呈されます。
②開明学校
明治15(1882)年に町民の寄付によ り建築された擬洋風の小学校校舎。アーチ型の窓にドイツ製のガラス が使用され、文明開化に近づこうと した町民の教育に対する情熱が込め
られています。現在は、教育資料館として、明治初期の貴重な掛図をはじめ、昭和初 期にかけての資料約6,000点を収蔵 展示。また長野県松本市の「旧開智
学校」と姉妹館として交流をしてい ます。郷校としても使用された「申義堂」 も見学できます。
③民具館
江戸時代末期から、昭和初期にかけて実際にこの町 で使用されていた民具約 6,000点を収蔵展示してい ます。祭り・暮らし・商いに関する昔の人々の智恵や想いを今に伝える民具の博物館です。常設展示の他、1階町家では「おひなさま」「端午の節句」
などの企画展をしています。写真館を再現した展示室で、昔の服を着て写真撮影したり、ロビーで昭和歌謡曲のレコード鑑賞、大正12年製の足踏みミシン体験をしたりと、実際に触れて楽しむコーナー
も充実しています。古き良き時代の懐かしさに出会える場所です。
④先哲記念館
現在の西予市宇和町の基盤を創った人々の業績を顕彰している記念館。この町で開業医をしたシーボ ルトの弟子、二宮敬作や、彼に医学を学んだシーボルトの娘・
楠本イネらを紹介しており、往時の医療器具を見ることもできます。2階の企画展示室では、様々なジャンルの企画展を開催、1階ロビーは、市民の作品の展示会場としても利用されています。当館正面から、まっすぐに伸びる旧宇和島街道(重要伝
統的建造物群保存地区・卯之町の町並み)が一望に見渡せ、 当時の賑わいが偲ばれます。
⑤旧武蔵
明治期に「武蔵(屋)」 という屋号で商いをしていたため「旧武蔵」といい、建築年代は「明治期」 と伝えられています。昭和中期までは「料亭」と して使用されたといわれていますが、文献等がなく正確な沿革は不明。平成27年10月に修理事業が完了し、
かまどを使った米炊きなど「昔のくらしを体験する」施設として公開活用しています。
⑥末光家住宅
明和7(1770)年に建てられた「平入り」の建物。蔀(し とみ)や格子(こうし)など卯之町らしいデザインが残る町並みの代表的な町家。大正時代初期まで酒造業を営み、大正8(1919)年に「卯之町醤油株式会社」を設立し、昭和12
(1937)年まで醤油製造・販売を営んでいました。毎月第 1日曜日に定期一般公開を行っています。
卯之町 おさんぽ 絵図(先哲記念館作成)
出典:せいよじかん
〇中町
元見屋が位置する卯之町の中町(なかのちょう)は、シーボルトの弟子二宮敬作を頼って、幕府に追われた高野長英が身を隠し、宮内省御用掛となった産科医楠本イネが医学の基礎を学んだと町と言われています。また白壁、うだつ、持送り、格子など、江戸時代中期から昭和初期の伝統的な建築様式が多く残り、2009年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。町並みを歩けば古き良き文化の香りと商業に賑わいを感じることができます。
①ナガオカ
ワンプッシュするだけで、注ぐことができる『ゆびしょうゆさし』、『ゆび徳利』を企画販売しています。
②卯之町バールOTO
築100年以上の古民家を改築し生まれ変わったバール。名物は多種多様な地ビール・カレー・ピザ、もちろん開明も飲めます。
③宇和ヤマミ醤
明治から続く蔵で、宇和盆地産のお米や古代米を使用し、醤油・味噌・甘酒を醸造販売しています。
④山田屋まんじゅう本店
本社は松山市へ移転しましたが、創業の地である卯之町の店舗は、本店として営業を継続しています。
西予市宇和町明間にある観音水は、四季を通じて玉のように冷たい清水が、8千トン/日と水量豊かに、石灰岩を溶食してできた鍾乳洞からとうとうと湧き出しています。美しい清水の出る泉には、物語りがつきもので、観音水にも水祈願の観音様にちなんだ伝説が残っています。昭和60年、名水百選に選定され、現在も地域の飲料水や農業用水として利用されているほか、アメノウオの養殖、夏季にはそうめん流し『名水亭』が営業され、多様な活用がなされています。
〇名水亭 観音水の流しソーメン
【営業時間】
4月下旬~9月上旬
10:00~17:00
【料金】
大人(中学生以上)600円
小学生300円、幼児100円
【住所】
愛媛県西予市宇和町明間
【電話】
0894-67-0013
〇あけまや 2号店
ミシュランガイド愛媛2018に掲載された、創業100年の老舗”あけまや”の鰻料理が、松山市でも味わえることになりました。観音水から毎日運ぶ水で、本店同様に秘伝のタレで味わう国産ウナギを提供しています。
【営業時間】
ランチ :11:30~13:30
ディナー:18:00~24:00
【住所】
〒790-0011
愛媛県松山市千舟町1-2-11 八束総合ビル1F
【電話】
0899-48-9709
当蔵代表銘柄『開明』の由来となる『開明学校』は、明治15年に町民の寄付により建築された疑洋風の小学校です。アーチ型の窓にドイツ製のガラスが使用され、文明開化に近づこうとした町民の教育に対する情熱がこめられています。現在は教育資料館として、明治初期の貴重な掛図をはじめ、昭和初期にかけての資料約6,000点を収蔵展示。また長野県松本市の旧開智学校と姉妹館として交流をしています。平成9年に国の重要文化財に指定されました。
〇明治の体験授業
開明学校では、明治・大正時代の教室が再現され、袴姿の先生から15~20分の楽しい授業を受ける事ができます。この『明治の授業体験』は、1週間前までに民具館への申しこみが必要となります。
【問合せ先】
◇TEL 0894-62-4292
◇住所 愛媛県西予市宇和町卯之町3丁目109番地
四国西南部に位置する『足摺、宇和海国立公園』の入口には、景勝地法華津峠(標高436m)があります。眼下には、宇和海特有の段々畑、変化に富むリアス式の海岸、 美しい縞模様を見せる真珠筏、紺碧の海に点在する多くの島々が広がり、 遠くには九州の連峰が見え、右には佐田岬が長く水平線に延びています。点在する島の中には、藤原純友が根拠地にした、日振島等もあり、ロマンもおのずとひろがってきます。 展望ひときわの岩頭には、賛美歌404番「山路越えて」の碑が人目をひいています。
〇ツーリングカヤック
法華津峠の眼下に広がる宇和海では、青く透き通った海の上を、滑るように進み、優雅な散歩を楽しむツーリングカヤックが体験できます。シーカヤックは基本操作が簡単で、年齢や体力に関係なく気軽に楽しむことができます。 のんびり優雅な時間を、広大な海の上で過ごしてみませんか?
【時期】
6~10月の土曜に月1回開催
【会 場】
あけはまシーサイドサンパーク
愛媛県西予市明浜町高山
【アクセス】
国道56号線法華津トンネル手前県道宇和明浜線経由約30分。
【問合せ先】
海の体験活動実行委員会 事務局
TEL 0894-64-1287
※募集定員に上限あり
当蔵の最寄駅であるJR卯之町駅は、標高が210mあり、また西予市宇和町が盆地でもあるため、線路が凍結して列車が止まるほど冬の冷え込みが厳しくなります。そこでJR卯之町駅では、毎年冬になると「愛の火鉢」が登場し、60年以上にわたって乗客を温め、冬の風物詩となっておりました。
しかしJR卯之町駅無人化(2021年10月)に伴う措置で、半世紀以上続いた、善意の火『愛の火鉢』は惜しまれながら廃止となりました。無人駅となった卯之町駅は駅前広場再開発で建て替えとなり、2022年11月に新駅舎が完成しました。
そして2023年、兎年。
例年であれば卯之町にちなんで、兎の駅長が登場するのですが、今年からは兎の絵馬、提灯、兎のせい坊がお客様をお迎えすることとなりました。
当蔵の位置する西予市宇和盆地は、宇和島藩の第一の穀倉地帯であり、酒造りに適した『気候』『水』が揃った土地でもありました。このため200m程の中町通りには当蔵も含め、造酒屋が5軒もあったことが史料に記されています。 現在でも900haの水田で栽培される『宇和米』は良質米として知られており、近年では味で評価する『食味分析鑑定コンクール』で、当蔵の原料米松山三井を委託している田力本願㈱が、2015年・2016年・2017年・2019年・2020年と、金賞・特別優秀賞に選ばれました。また愛媛県が開発した酒米”しずく媛”の生産量が県下1位と、酒米に力を入れている農家も多くなりました。今も昔と変わらず稲作は西予市宇和町の中心的な産業であり、宇和盆地は酒造りに最適な土地です。
宇和盆地には、後期古墳が散在し、その数百六十余基が認められ、宇和古墳群の名で知られています。古墳群からは土器・銅鏡・金銀環・勾玉・直刀その他副葬品も多く、当時の人々の生活がしのばれます。
その中でも笠置峠古墳(かさぎとうげ)は4世紀初め頃に築造された西南四国最古の前方後円墳で、宇和盆地一帯を治めた首長の墓と考えられています。1997(平成9)年から2008(平成16)年まで、宇和町教育委員会(現西予市教育委員会)と愛媛大学考古学研究室による8次にわたる発掘調査が行われ新たな発見が報告されました。 一般に前方後円墳といわれる古墳は、上から見ると鍵穴のような形をしていますが、笠置峠古墳は「しゃもじ形」とでも言うべき珍しい形をしています。古墳の全長は東西45mをはかり、古墳の法面には葺石(ふきいし)と呼ばれる石が葺かれています。 また首長が埋葬された後に、飲食を伴うマツリが古墳の上で行われたことが出土した土器から判明しています。
笠置峠古墳アクセルルート 西予市HPより
れんげ草の可憐なピンク色の花は、晩春から初夏にかけて田んぼ一面に咲き誇り、人々の心を和ましてくれる宇和盆地の象徴です。れんげ草は西予市の花として市民からこよなく愛され、毎年GWには『れんげ祭り』が開催されます。この頃の西予市は1年を通して最もよい季節で、野にも里にも活気が満ちています。
【会場】
西予市宇和町岩木、 JR伊予石城駅前周辺れんげ田
【アクセス】
JR伊予石城駅から徒歩で1分 、松山道西予宇和ICから車で15分
【問合せ先】
宇和れんげまつり実行委員会、TEL 0894-62-6408
〇日本一のもちつき
れんげ祭りでは、長さ8Mの宇和産ひのきで作った杵を使い、日本一のもちつき大会が行われます。このもちつきで使用されるもち米は、トラックの上に甑(こしき)を載せて当蔵で蒸し、れんげ祭りの会場まで甑ごと運びます。
〇稲わらの巨大マンモス
れんげ祭りの展示物として作成された稲わらの巨大マンモスは、撮影スポットとして有名となり、年間を通じて観光客が訪れています。